パワーハラスメント防止処置ですが、中小企業の事業主は2022年(令和4年)4月1日から義務化となります。パワハラは義務化されなくとも当然に行ってはなりませんが、これを機に社内労働環境を見直してはいかがでしょうか。
◆本制度におけるパワハラの定義
以下の①~③の要素のすべてを含満たすものをいい、客観的に見て業務上必要かつ相当な範囲で行われる業務指示や指導は該当しません。
①優越的な関係を背景とした言動
②業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動
③労働者の就業環境が 害される
◆責務
事業主・労働者は責務として、以下の事項に努めることが法律で明確化されました。
(1)事業主の責務
①職場におけるパワーハラスメントを行ってはならないこと等これに起因する問
題(以下「ハラスメント問題」という。)に対する労働者の関心と理解を深める
こと
②その雇用する労働者が他の労働者(※)に対する言動に必要な注意を払うよう研
修を実施する等、必要な配慮を行うこと
③事業主自身(法人の場合はその役員)がハラスメント問題に関する関心と理解を
深め、労働者(※)に対する言動に必要な注意を払うこと
(2)労働者の責務
①ハラスメント問題に関する関心と理解を深め、他の労働者(※)に対する言動に
注意を払うこと
②事業主の講ずる雇用管理上の措置に協力すること
※ 取引先等の他の事業主が雇用する労働者や、求職者も含まれます。
◆パワハラ防止のために必ず講じなければいけない義務
事業主は以下の処置を必ず講じないとなりません
①事業主の方針等の明確化及びその周知・啓発
ア.職場におけるパワハラの内容・パワハラを行ってはならない旨の方針を明確化し、
労働者に周知・啓発すること
イ.行為者について、厳正に対処する旨の方針・対処の内容を就業規則等の文書に規
定し、労働者に周知・啓発すること
②相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
ア.相談窓口をあらかじめ定め、労働者に周知すること
イ.相談窓口担当者が、相談内容や状況に応じ、適切に対応できるようにすること
③職場におけるパワーハラスメントに係る事後の迅速かつ適切な対応
ア.事実関係を迅速かつ正確に確認すること
イ.速やかに被害者に対する配慮のための措置を適正に行うこと(注1)
ウ.事実関係の確認後、行為者に対する措置を適正に行うこと(注1)
エ.再発防止に向けた措置を講ずること(注2)
注1 事実確認ができた場合 注2 事実確認ができなかった場合も同様
④そのほか併せて講ずべき措置
ア.相談者・行為者等のプライバシー(注3)を保護するために必要な措置を講じ、その
旨労働者に周知すること 注3 性的指向・性自認や病歴、不妊治療等の機微な個人情報も含む。
イ.相談したこと等を理由として、解雇その他不利益取扱いをされない旨を定め、労
働者に周知・啓発すること
◆その他
当たり前ですが、労働者が職場のパワハラの相談したことなどを理由とした解雇や不当な取り扱いは法律上禁止です。
詳細は厚生労働省のHPよりご確認ください
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/seisaku06/index.html
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